夫に不倫された。もう何ヶ月も夫婦関係がぎくしゃくしている。夫の暴力やハラスメントから逃れたい…。
様々な理由で、夫婦として家族として、一緒に暮らしていくことが苦痛になってしまったのなら、別居という選択肢を考えることも必要です。
夫婦関係や家族の在り方に行き詰った時こそ、自分にとって大切なものは何か、その大切なものを守るためにはどうするべきかを、落ち着いて冷静に考える必要があります。
そのために別居し一旦物理的な距離をおくことで、あなた自身だけでなく夫の方も、いろいろな事を冷静に考えるための時間と空間を得ることができます。
だからと言って、焦ってバタバタと別居をしてしまうと、あとからいろいろと困ることになります。
別居生活に必要なものや手続きなどをしっかりと確認し、できる限り計画的に準備を行うことが大切です。
それでは、夫と別居したい妻がどんな準備を始めると良いのかについてご紹介していきましょう。
別居期間中は婚姻費用として夫に生活費を請求する事もできますが、妻の方も夫からの自立に向けて動く必要があります。
離婚するとなった場合、慰謝料や財産分与などで幾分か金銭を受け取る事はできるかもしれませんが、その貯えがいつまでも続くわけではありません。
今後の生活のために自分自身の収入源を確保する必要があります。
また、離婚に際し子供の親権を争うことになった場合、何も仕事をしていないと子供を育てる事ができないとみなされてしまう事にもなりかねません。
母子家庭のための福祉制度などはありますが、自らの力で積極的に子どもを養育していく意思を示すためにも、仕事を見つけることは重要です。
それだけでなく、経済的な自立は精神的にも良い影響をもたらしてくれます。
別居する前から働き始めるのは難しいという場合でも、別居後なるべくスムーズに働き始められるように、できる範囲で求職活動をしておくと良いでしょう。
別居をするという事は新たに居宅を探す必要があります。
別居先として最も現実的なのが、実家です。
実家で暮らすことが可能であれば、新たに賃貸などを探す手間やお金を省けますし、両親や家族に子供の面倒を見てもらえる環境ならば、自身が外で仕事をすることのハードルも下がります。
別居を考え始めた段階で、実家の両親や家族に相談してみましょう。
実家に頼れない場合や、DV被害などで実家に戻る事が危ない場合は、自分で新しい家を探す必要があります。
夫のDVから逃れるための別居であるならば、一般の賃貸などを探すよりも、DV被害者のためのシェルターを探す方が得策です。
その場合、自分でネット等で調べて探すことももちろんできますが、警察や地域の民選委員、役所の相談窓口に相談してそういった施設を紹介してもらうこともできます。
公の機関に頼れる部分は遠慮なく頼りましょう。
子供がいる場合は、別居する際子供と一緒に別居するのか、子供は夫の方に託して自分だけ家を出るのかを決めなくてはいけません。
子供自身がどちらの親と一緒に暮らしたいか意思がはっきりしている場合はその意思を尊重すべきです。
そうでない場合は、夫と話し合い夫婦の決断で決めることになります。
いずれ離婚し親権を得たいと思うのであれば、この時になるべく自分と子供が一緒に暮らせるように話を進める必要があります。
いざ法廷で親権を争うとなった場合には、どちらの親が子供の養育に積極的に関わっていたかという点が基準の一つになるからです。
しかしここで注意しなければいけないのが、夫に無断で、あるいは強引に子どもを連れ去るような形で家を出てはいけないということです。
そのような形で子供との生活を手に入れても、親権争いの際にかえって不利になりかねませんし、何より子供の気持ちに寄り添った行動とは言えません。
夫が子供にも暴力を振るっているなどの緊急な状況を除いて、基本的には夫婦でよく話し合い、子供にとってできる限り最善の選択を考えましょう。 通帳や印鑑や身分証明といった貴重品、服や化粧品といった日用品をまとめます。
この時に子供を連れていくのかによって、子供の貴重品や日用品も一緒に用意します。
子供を連れていく場合はアルバムも一緒に持っていくようにするといいでしょう。
アルバムや思い出の物を置いてきてしまったがために、子供の成長の記録を後になって見る事ができなくなってしまう事があります。
別居の用意をする時に様々なものを用意しなければならない為に、後回しになってしまうものがありますが、別居からそのまま離婚に至る事も多い為にその家に戻ってくる事ができない可能性も考えて用意する必要があります。
離婚を考えている場合は離婚に向けて必要な準備があります。
別居・離婚を考えるに至ったそもそもの原因が夫の浮気だった場合、夫と浮気相手の肉体関係が明確に認められる証拠や浮気の証拠となるものを同居中に押さえておいた方が良いでしょう。
自力で見破り証拠を押さえる事もできますし探偵に依頼するという方法もあります。
いずれにしても、行く行く慰謝料裁判を起こそうと考えているならば、「証拠能力の強いもの」を複数集めておくべきです。
この時に大切な事はLINEやメールなどの仲が良さげなやり取りといった曖昧なものではなく、ラブホテルからの出入りを映した写真など、明らかに肉体関係があったと判断できる証拠を集めることです。
これがある事で、一回だけの間違いだったと言い逃れされる事もなく、別居や離婚の原因が夫側にあると認めてもらえる可能性がぐんと高くなります。
浮気の証拠を集めるためには夫の生活の様子や行動をある程度把握していないと難しいので、別居で家を出てしまう前に浮気の証拠集めをしておくことをおすすめします。
離婚せずに別居しているだけの場合は配偶者に婚姻費用の支払いを求める事ができます。
専業主婦の場合は、生活を夫の収入に頼っていたわけですから、別居後の生活費をどうすればいいのかと不安に思うでしょう。
ですが、まだ籍を抜いていない間は婚姻費用として生活費を受け取ることができるので、婚姻費用で生活費をまかないながら自立できる道を用意する事もできます。
夫の収入が高い場合はそれに合わせて婚姻費用も高くなりますので、適切な婚姻費用を請求できるように、別居する前に夫の収入に関して把握しておきましょう。
夫の収入が分かるような給与明細などのコピーを取っておき、自分の手元に保管しておくと良いでしょう。
これを元に「夫にはこれくらいの収入があるので、婚姻費用をどれくらい請求するか」という事を決定します。
別居の後に離婚が視野にある場合は、財産分与の際に必要となる書類についても別居してしまってからでは入手しにくい場合もありますので調べて用意しておくといいでしょう。
財産分与を請求する側がどれだけの財産があるのかを証明する必要があり、預貯金・住宅・車・保険・有価証券などが財産分与の対象となります。
別居を開始しようと思った時に必要となる7つの準備についてご紹介してきました。
この中で大切な事は浮気によって別居や離婚を視野に入れた場合は「浮気の証拠を押さえてから別居する」ということです。
同居している間ならば押さえられた証拠も、離れて暮らしてしまうことで、パートナーの予定を把握できなくなり浮気の証拠を集めることが難しくなります。
そして、裁判を有利に進める事が困難になる可能性がありますので注意が必要です。
感情的に別居すると、大変ですので、別居の準備しっかりすることが重要です。