世界の離婚率とは?

離婚率の低い都道府県

まずは世界の国々の離婚についてみてみましょう

人口1000人あたりで離婚している割合を表した数字になりますが、ここでは世界の離婚率を順位別にご紹介します。

1位 ロシア 4.7%
2位 ベラルーシ 3.5%
3位リトアニア 3.2%
12位 米国 2.5%
27位 ドイツ 2.0%
31位 英国 1.9%
35位 中国 1.8%
39位 日本 1.7%
※出典:世界の統計2018 総務省統計局 https://www.stat.go.jp/data/sekai/pdf/2018al.pdf

このような結果になりました。
ではなぜこれらの国での離婚率が高いのでしょうか?


ロシアの離婚

離婚率の低い都道府県

ロシアはソ連時代を経て現在があります。

ソ連時代は社会主義国家としてその体制の中で、住宅・医療・教育・雇用・老後の生活までを国が保証してくれる社会でした。

ソ連崩壊後ロシアとなると、それまでの社会保証のあり方が大きく変わり、国民ひとりひとりが生活のための自助努力を求められることになります

これに伴い貧富の差が生まれるようになり、失業率の高さなども相まって、生活に困難する人が増えました

そんな中ウォッカなどのアルコール度数の高い酒やドラッグに溺れる者もあり、家庭生活に亀裂が入ってしまい離婚に至るというケースも。


国の体制が大きく変化したことが、国民の離婚率にも大きく影響していると言えます。

ロシア周辺国の離婚率の高さ

どの国もモスクワから近く、ロシアでの離婚と同じ様な原因が考えられます。
また、ロシアもそうですがこの地域は非常に寒さの厳しい地域であるため、ウォッカに代表されるような度数の高いお酒がよく飲まれます。

お酒はその国や地域の文化でもありますが、飲み方次第ではあらゆる問題を引き起こす種になります。


お酒にまつわる問題から離婚に発展する夫婦も少なくないのかもしれません。

米国

アメリカでは2組に1組が離婚すると言われるほど、離婚率の高い国になっています。

州ごとに離婚率に差があるようですが、それには収入の格差の問題などが関係していると考えられます。
また、米国での離婚では養育費の取り決めなどがきっちりとなされるので、離婚手続きは厳格に行われ日本の様に同意があれば用紙一枚ですぐ離婚、という訳には行かないようです。

にもかかわらず離婚率が高いのには、女性の権利が比較的強い国であるということが関係しています。
結婚生活において妻が平等ではないと感じることがあれば、正当な離婚の理由となり得るという点も、離婚率の高さに影響していると言えるでしょう。

ドイツ

ドイツも離婚率が高く、米国と同じように2組に1組が離婚するようです。

離婚した女性に対しての制度が充実しており、養育費に関しても子供が25才になるまで支払う義務があります。

養育費が足りなければ援助を受ける制度があるなど、ダメなら離婚してしまって援助を貰えばいいと考える事などで離婚率が高くなっている事が考えられます。

中国

特筆しておくべき国としては中国があります。

近年中国においての収入格差などは広がるばかりですが、中国の近代化に伴い離婚率も急上昇している様です。
離婚訴訟の原告の7割が女性だという事で、中国では離婚する時に女性が夫はダメだと見切りを付ける事が多いということでしょう


離婚理由としては夫婦の不和やDVなどが挙げられるようですが、近代化してきた事により離婚しても女性が生きていきやすくなってきたという事や、女性が離婚を切り出しやすい国民の気質などが考えられます。


日本の離婚率

離婚率の低い都道府県

日本では3人に一人が離婚すると言われていますが、先進国の中では比較的低い離婚率だと言えるでしょう。

離婚原因としては上位から、性格の不一致・異性関係やDV・精神的虐待となっています。

基本的に、できれば夫婦揃って子供を育てる方がいいという考え方がある事や、日本ではまだ片親で子供を育てるには大変な部分が多い事などで離婚にまでは踏み切らない夫婦も多いのかも知れません。

しかし資料などの中には、江戸時代や明治初期の日本では4.80~3.38と高い離婚率であったことが記されており、昔の人々は比較的自由におおらかに結婚と離婚と再婚をしていた事が伺えます。


現代のような安定的な結婚観が国民全体に浸透したのは、日本が欧米文化を積極的に取り入れるようになったことや、戦後の復興に伴い国民全体の経済が豊かになった事が影響していると考えられます。

個人の財産が比較的豊かになる事により、相続の問題など離婚の際に考えなければならない事が増えたと言えます。

また、日本は先進国の中では女性の社会進出などは遅れている方で、女性にとって離婚のハードルがまだまだ高いということも影響し、こうした数字になっていると考えられます。

離婚率の高い国の傾向

先進国の方が離婚率が高い傾向にある事などから、女性の社会進出や収入がある事や社会保障の制度など、女性が離婚しても生活していきやすい事が離婚率の高い理由と言えます。


離婚率の低い国の多くは男性の地位が高く女性の地位が低い傾向にあり、先進国では女性の地位や権利などがしっかりしているので離婚を言い出しやすいという背景があるようです。


離婚率の低い国の傾向

離婚率が低い国や地域にも様々な事情や背景があります。
ラテンアメリカやイタリアなどのカトリックの国では、カトリックの教義に離婚してはならないという決まりがあるため離婚したくてもなかなかできないという事情があります。


メキシコなどでは女性が一人で生活する事が難しく離婚率が低いという側面以外に、貧困が激しいい地域や治安が安定しない地域ではそもそも結婚率が低いということもあります。


家庭を持てるほど生活に余裕がなく、女性が妊娠した場合でも男性が認知してくれないなど、ここでも女性に対する価値観の低さがひとつ大きな原因として存在します。


離婚率の低いエジプトでも男性の地位が高く女性の地位が低い事から、離婚率が低い事が幸せの結婚の証ではなく、言い換えれば離婚率の高い先進国は女性の地位が認められているという事になります。


まとめ

ここまで世界の離婚率についてご紹介してきましたが、この数字だけを見て幸せか不幸せかと図る事はできないという事が分かりました。

先進国であり女性が自由に離婚をしたいと申し出る事のできる国もあれば、女性の地位が低く離婚したくてもできない国、広く浸透する宗教の教義によって離婚が禁じられている国など、さまざまな背景が存在します。
国ごとの離婚率からそれぞれの国の社会事情や背景を知ることは、今自分が暮らしている環境を見つめ直すきっかけになります。

ここでご紹介したことを参考に、皆さんも一度、自分にとって結婚とは何かを考えてみてはいかがでしょうか。

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