パートナーが浮気をしているかもしれない。
そう思ったら、まずは浮気をしているであろう証拠を入手するために浮気調査が必要になります。とはいえ、この段階で浮気調査を探偵や興信所に依頼すると、かなり費用が掛かってしまいます。
そこで思いつくのがGPS機器やスマホを利用したパートナーの行動監視でしょう。
では、このGPSを利用した浮気調査に利用するのであれば、GPSの専用発信機とスマホのアプリのどちらがいいでしょう?
双方のメリットデメリットを考えていきましょう。
まず最初に理解しておきたいのが、浮気調査においてGPSの情報がどの程度の効力を持つのかということ。実はこの効力、ほとんどゼロに近いのが現実です。
まず大前提として、パートナーの浮気調査で求められるのは、「パートナーが浮気をしている証拠」です。一方GPSの情報で入手できる証拠は、「GPS機器がいつどこにあったか」という位置情報のみになります。
これでは浮気の証拠にはなり得ません。
分かりやすく例を挙げてみましょう。
「パートナーの車に仕掛けたGPS発信機の情報から、2時間ほどラブホテルに滞在している」
これだけをみれば十分浮気の証拠となりそうですが、冷静に考えるとこの情報は以下のように言い換えられます。
つまりこのGPSの情報から得られる情報は、「車に仕掛けたGPS発信機が、2時間そのラブホテル周辺のどこかにあった」というだけで、パートナーの行動に関しては何も証明できないことになります。
「パートナーの上着に仕掛けたGPS発信機の情報から、2時間ほどラブホテルに滞在している」
ではGPS発信機が来るまではなく、パートナーの衣類などに仕掛けられた場合はどうでしょう?
こちらも以下のように言い換えることが可能です。結局同じことになります。
つまりGPSの情報をいくら集めても、浮気の証拠とはならず、GPS発信機やGPSアプリだけで浮気調査ができるとは言えないのが現実です。
では、GPS情報の入手による浮気調査は一切無駄なのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。GPSの情報というのは浮気調査には重要な情報となりますので、場合によっては浮気調査のプロである探偵も利用するほどです。
では、どのように利用するのが正しいのでしょうか?
確かにGPSの情報は、パートナーの行動監視が主な目的であり、それだけでは浮気調査にはなり得ません。しかし、浮気調査を絞り込む重要な情報にはなり得ます。
例えばパートナーの行動パターンが把握できます。
毎週水曜日になると同じ場所に一定時間滞在する。その場所が仕事とは思えず、北区のルートとも関係ないとなれば、それは浮気を疑うには十分です。
例えば車通勤であれば、毎週同じ曜日に自宅と関係ない方角の、同じような場所に2~3時間滞在しているとなれば、その場所周辺が浮気現場であると想像できます。
電車通勤でも、自宅に向かう路線とは明らかに別の路線に乗り、毎回同じ駅で降りているのが分かれば、それだけで浮気が疑われる現場を限定できます。
仮にここまでわかれば、本格的な浮気調査は、決まった曜日の、決まった時間の、決まった場所だけを調査すればいいことになりますので、調査の手間を大幅にカットできます。
手間がカットできるということは、探偵などに調査依頼をしても、費用を大幅にカットできるということに繋がります。
本格的な浮気調査ののために必要な情報集め。そう考えればGPSによる浮気調査は十分価値のある調査ということになります。
では実際に浮気調査をするとして、GPS発信機を利用した場合のメリット・デメリット、スマホのGPSアプリを使った場合のメリット・デメリットを考えてみましょう。まずはスマホアプリから。
スマホアプリを利用するメリットは、「初期費用を抑えることができる」ということが大きいでしょう。
スマホアプリを利用する場合、盗難時に使えるアプリを使う方法が一般的ですが、無料のアプリも多いですし、有料のアプリでもさほど高額にはなりません。
続いて考えられるのが「パートナーと離れることが少ない」ということ。
GPS発信機を仕掛ける場合、パートナーのカバンの中や車に取り付けるのが多くなりますが、その場合、状況によってはGPS発信機とパートナー自身の位置が離れることが考えられます。
しかしスマホアプリの場合、基本的にパートナーは常に持ち歩くでしょうから、位置情報としてはかなり信頼度が高い情報が入手できるといえるでしょう。デメリットも当然あります。まずは「インストールをするのが難しい」ということ。
スマホにアプリをインストールする場合、基本的に本人が捜査を行う必要があります。つまりパートナー自身がインストールするということに。そのスマホを持っていれば、あなたに行動監視をされる可能性があると分かっていてそのアプリをインストールし、しかもあなたがいつでも確認できるように設定してくれる人がいるでしょうか?
ただし、パートナーのスマホとはいえ、あなたが勝手にアプリをインストールするのは「不正指令電磁的記録供用罪」に抵触する犯罪になります。他にも「プライバシーの侵害」で民事訴訟を起こされる可能性がありますので、勝手にインストールはできません。
何かしらいい理由があり、パートナーにインストールさせることができることが最低条件となるでしょう。
続いてGPS発信機のメリットとデメリットです。GPS発信機には2種類あり、リアルタイムで動きをチェックできる「リアルタイム式」と、GPS発信機にGPS情報を記録して後で情報を吸い出す「GPSロガー式」があります。
リアルタイム式はGPS情報を記録しておく必要がありませんので、バッテリーが長持ちするメリットがあります。ただし、リアルタイムで監視していないといけないというデメリットに加え、情報を電波に乗せて飛ばすため、携帯電話会社などとのサーバー契約が必要となり、月額使用料など高額になるというデメリットがあります。
GPSロガー式のメリットは、発信機自体の費用だけで利用できるので、費用面が抑えられるということが考えられます。デメリットはGPSを検知しながらその記録をメモリーしていきますので、バッテリーがあまり長持ちしないということが考えられます。バッテリーが持たないということは、たびたび設置したり回収したりという作業が必要になりますので、手間やバレるリスクも大きくなります。
そしてGPS発信機の共通したメリットとデメリットを考えると、メリットとしては「法に触れる可能性が低い」ということ。ここであえて「可能性が低い」としたのは、GPS発信機でも取り付ける場所によっては犯罪になるということがあるからです。
仮にあなたとパートナーが夫婦関係の場合、車に取り付ける場合は法的に問題はありません。
ただしパートナーのカバンなど持ち物を、変形させて取り付ける場合、これは「器物破損」に問われる可能性があります。
夫婦関係が成り立っているのであれば、車は夫婦共用の財産と考えられますが、パートナーのカバンはパートナーの私物であり、共用の財産にはならないためです。当然ですが浮気相手の車に設置するのは器物破損であり、その設置のために浮気相手の住居の敷地に入ったのであれば不法侵入にもなりますので気を付けてください。
デメリットは、「不必要なものを持ち歩かせる必要がある」ということ。GPS発信機はスマホと違って、持っていて自然なものではありません。それを持たせるわけですから、バレないように設置する必要があります。
ここまで読んでいただければ、すべての方法にメリットやデメリットがあることがお分かりかと思います。どの方法で浮気調査をするかはその状況次第といえるでしょう。そこでそんな状況をまとめてみました。
まず、パートナーにGPSアプリを自然にインストールさせることができる状況であれば、ぜひスマホアプリを利用した浮気調査を行いましょう。スマホのアプリを利用する最大のデメリットはインストールさせることができるかどうかの一点です。これをクリアできればこの方法がベストです。
続いてインストールさせるのは難しい場合。
パートナーにバレずにGPS発信機を取り付け、取り外しを定期的にできるのであれば、「GPSロガー式」を利用しましょう。ロガー式はリアルタイム式に比べ費用を抑えることができるのが魅力です。
一度取り付けたらなかなか取り外しなどはできないというのであればリアルタイム式を利用しましょう。多少費用はかかりますが、長期間利用できるメリットがありますので、それを頼りにするのがいいでしょう。
このように、GPSによる浮気調査はその状況によって使い分け、GPSから疑わしい状況をつかめたら、その情報を持って探偵事務所など、プロに調査依頼をするのがベストといえるでしょう。